top of page

ガーバーサカイ株式会社 新社屋完成記念ナイフ

  • 執筆者の写真: 店主
    店主
  • 4月19日
  • 読了時間: 3分
ガーバーサカイ株式会社 新社屋完成記念ナイフ

■入手の経緯


以前、デッドストックナイフを手売りしていた頃のことです。


珈琲屋夢庵でご縁のあったご近所の方から、

何本かのナイフを譲っていただいたことがありました。


その後、しばらく時を経て、身辺整理の一環として、

再びナイフの買取をご相談いただきました。

当店は古物商許可も取得しておりますので、

内容を確認したうえで、まとめて買い取らせていただくことになりました。


■巡って戻ってきた IMAX フィールドマスター


今回の買取品の中には、以前のご縁で一度手元を離れた

IMAX フィールドマスター も含まれていました。


このナイフは、かつて今井刃物製作所のご婦人からのご依頼で、

海外配送の整理をお手伝いした際、ご厚意で数丁分けていただいたものです。

そのうちの一丁が、ご友人である今回の方のもとへ渡り、

時を経て、再び当店へ戻ってきた形となりました。


こうした品物は、単なる中古品というより、

人の縁を辿って動いていくものなのだと感じます。


■思わぬ発見だったアルマー・シリアタック


また、数本を確認していく中で、当初は数千円ほどの

フォールディングナイフだろうと思っていた一本が、

実は アルマーのシリアタック であることも分かりました。


状態は万全ではなかったため、オークションでは控えめな価格からの出品としましたが、

結果として25,000円を超える価格で落札されました。

IMAX フィールドマスターと合わせて、取引としても無事に形になったものと思います。


アルマーシリアタック

■ガーバーサカイ新社屋完成記念ナイフ


その中に、少し変わった刻印を持つ小型ナイフがありました。


ブレードには、


「ガーバーサカイ株式会社 新社屋完成記念」


と刻まれています。


ガーバーサカイは、岐阜県関市を代表するナイフメーカーのひとつです。

本品は、一般販売品というよりも、新社屋完成の節目に作られた

関係者向けの記念品に近い性格のものではないかと見ています。


■市販品ではなく、記念品としての一本


ベースとなっているのは、ガーバー系の小型フォールディングナイフ、

いわゆる “Silver Knight Japan” 系統を思わせる上品なモデルです。


白蝶貝風のハンドルと、すっきりとした小型のブレード。

実用ナイフというより、ポケットに収まる紳士用ナイフ、

あるいは記念品としての佇まいが強い一本です。


製作時期は断定できませんが、全体の雰囲気やモデルの系統から、

1980年代後半頃の品ではないかと考えています。


ガーバーサカイ株式会社 新社屋完成記念ナイフ
ガーバーサカイ株式会社 新社屋完成記念ナイフ

■売れ残りではなく、記録として残す


一度オークションにも出品しましたが、決定的な入札には結びつきませんでした。

とはいえ、安売りしてしまうには少し惜しい一本です。


市場価値だけで判断するよりも、関の刃物産業の節目を物語る小さな記録として、

しばらく御刀商 彰組のホームページに置いておこうと思います。


売れ残った、というよりも。

手元に残ったことで、役割が変わった一本なのかもしれません。


関の町には、こうした小さな記念品が、まだ人知れず眠っているのかもしれません。


それを大げさに価値づけるのではなく、

縁あって手元に来たものとして、静かに記録しておく。


それもまた、関で刃物を扱う者の仕事のひとつなのだと思います。



コメント


Copyright © 2018-2025 AKIRAGUMI All Rights Resarved.

​日本刀 修理修繕レストア 御刀商 彰組

岐阜県公安委員会許可 第531140001502号 道具商

bottom of page