日本刀修理 製作事例 研ぎ直し・拵調整・ツナギ製作 熊本県Y様
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- 4月12日
- 読了時間: 4分

↑まず1枚目の写真は、完成後の姿です。
今回ご依頼くださったのは、ご年配の方でありながら
「刀剣修理を依頼するのは初めて」と仰るY様でした。
ご連絡にはLINEを使いたいとのことで、
初期登録も含めてお手伝いしながら打ち合わせを進めました。
Y様は大変熱量のある方で、メッセージでのやり取りだけでなく、
お電話でも根気強くお付き合いくださいました。
仕様決定後、予定納期は半月ほど超過してしまいましたが、
無事にお引き渡しまで進めることができました。
■ご相談のきっかけ
最初のご相談はヤフーオークション経由でした。
ところが、こちらの見積もりで研ぎ代の金額にゼロをひとつ多く記載してしまうミスが
あり、「それなら刀が買えてしまうので今回はやめます」という流れになりかけました。
すぐに訂正したところご納得いただき、
その後あらためて連絡先を交換し、ご依頼へと繋がりました。
■今回の主な工作について
今回の工作の中心となったのは、刀身の研ぎ直しです。
もともとの状態でも悪い研ぎではありませんでしたが、小さな刃こぼれがあり、
Y様はその点を大変気にされていました。
さらに、もう少し地鉄を楽しめるようにしたいとのご希望もあり、
姿の修正を含めた全体のリフレッシュを行いました。
あわせて、拵えの調整、ツナギ製作、そしてハバキのお色直しも施工しています。
拵えの調整では、別の拵えから転用された鍔の交換を行い、
責め金(銅の咬ませ)も加えました。
ツナギは、もともとかなり簡易的な作りのものが付属していたため、
あらためて正規のものを製作しています。
また、ハバキについては当初作り直しのご希望もありましたが、
多少の傷みはあるものの機能は失われていないと判断し、
今回は表面のお色直しまでに留めました。

↑施工前のビフォー写真となります

↑アフターのお写真です大変美しく仕上がりました
■拵え調整について
拵えについては、第一のご要望として「白鞘のツナギと本身を入れ替え、
着せ替えができるようにしたい」というお話がありました。
結論から言えば、完成後も寸法は近いものの、
もともと別の刀の外装を合わせていた拵えと見られました。
おそらく刀剣商が持ち寄ったものでしょう。
目釘穴の位置は合っていましたが、柄の隙間を埋める必要もあり、
調整はなかなか難しいものでした。
日常的に着せ替えを行うのは勧めにくい旨は正直にお伝えしましたが、
最終確認の際には「着せ替えはできないんですか?」とのご質問もありました。
最大限の調整は行っておりますが、もともと誂えられた拵えではない以上、
完全なジャストフィットにはなりません。その点はどうかご理解いただければと思います。
なお、ツナギは白鞘に合わせて製作したため、
拵えに対してはやや緩めの納まりとなりました。
今回は出荷準備を優先したため、肝心のツナギ本体の撮影は失念しております。

↑仮合わせの際の撮影ですので目釘が刺さっておりません
(この後鍔を調整し、目釘を打って完成です)」
■ハバキのお色直し
ハバキは、上貝が銅製、下貝が真鍮製という少し珍しい構成の二重ハバキでした。
「壊れそうなので新しくしたい」というご相談から始まりましたが、
新規製作となるとご予算も大きく変わります。
そのため今回は、現状で機能が保たれていることを踏まえ、
お色直しによる改善を選択しました。
理想としていたところまで美観が整ったとは言い切れませんが、
着手前と比べればかなり見栄えは持ち直したのではないかと思います。
■初めて刀剣修理をご依頼される方へ
刀剣修理をご検討される方の中には、何から相談すればよいのか、
どこまで依頼できるのか、不安をお持ちの方も少なくないと思います。
今回も、工作内容そのものだけでなく、連絡方法やご説明の進め方も含めて、
なるべく安心して進めていただけるよう心を配りました。
ご相談の段階でひとつずつ整理しながら進めていけば、
必要な修理や調整を形にしていくことは可能です。
今後も、刀剣修理に不慣れな方にも相談しやすい窓口であれるよう努めてまいります。
■費用の目安について
今回のように、研ぎ直しに加えて拵え調整やツナギ製作などが伴う場合、
工作内容はどうしても個別性の高いものとなります。
今回は総額でおおよそ12万円台となりました。
費用につきましても一律ではなく、状態やご要望に応じてご案内しております。





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