日本刀修理 製作事例,鞘製作&研ぎ 和歌山県F原様
- 店主

- 2025年7月17日
- 読了時間: 3分
更新日:6月20日


■曲がり直しと鞘製作のご依頼
同じ道場の方からご紹介をいただき、日本刀修理のご依頼がございました。
今回の主な作業内容は、第一に刀身の曲がり直し、そして鞘製作です。
それに付随して、既製の替え鞘である合わせ鞘の現物合わせと、
刀身の研ぎ直しも行いました。
最終組み立ての際に行った鍔のガタ直しにつきましては、
サービスにて対応させていただきました。
■曲がり直しと研ぎ直しについて
曲がり直しに伴い、今回は研ぎ直しも行っています。
刀身の曲がりを直すだけでなく、あわせて研ぎを入れ直すことで、
より細かな形状の修正が可能になります。
特に鞘を製作する場合、この微細な形状調整がとても大切です。
刀身の状態としては、刃文もやや見えにくくなってきていました。
全体を化粧し直すことで、鑑賞の面でもより楽しんでいただけるようになり、
修復としても良い仕上がりになったと思います。




■柄はそのまま活かす判断
柄は革巻きで、丁寧にご使用されていたこともあり、今回は手を付けていません。
状態を拝見したところ、まだ数年間は使用に問題ないと判断いたしました。
修理というと何でも新しくする方向に考えがちですが、使える部分は無理に替えず、
状態を見ながら活かすことも大切です。
今回は、刀身と鞘まわりを整え、柄はそのまま残す形で進めました。


■合わせ鞘と本造り鞘
今回は、既製の合わせ鞘もご用意しました。
初期段階ではガタがありましたが、加工によってぴったり納まるように調整しています。
塗りは本造り鞘、合わせ鞘ともに黒石目塗りです。
見た目としては、栗形の形状や鐺の形状でしか判別がつかないほど
近い仕上がりになっています。
ただし、納刀のスムーズさでは、やはり本造り鞘の方が一段上です。
お刀に合わせて一から製作するため、納まりの精度や抜き差しの感触に違いが出ます。
一方で、稽古用として考えるのであれば、合わせ鞘でも
十分に役目を果たせる場合があります。
用途やご予算によって、どちらを選ぶかが変わってきます。
■本造り鞘と合わせ鞘の違い
本造りの鞘は、刃側に補強を入れて製作しています。
そのため、後々傷みが出た場合でも、後加工によって一度は延命措置、
つまり修理が効く可能性があります。
長く使っていただくことを考えると、本造り鞘には大きな利点があります。
一方で、合わせ鞘はあくまで既製品を加工して合わせるものです。
価格を抑えられる反面、構造上どうしても消耗品としての性格が強くなります。
稽古用・予備用・ご予算重視であれば合わせ鞘。
長く使う前提であれば本造り鞘。
今回のように両方を用意しておくと、用途によって使い分けることもできます。
■予定より早い完成
今回の日本刀修理は、予定納期より三週間ほど前倒しして完成することができました。
曲がり直し、研ぎ直し、鞘製作と複数の工程がありましたが、
各工程がうまく進み、無事にお渡しできる形となりました。
お客様にもお待ちいただく時間が短く済み、こちらとしても安心いたしました。
■掲載許可と明細について
今回の修理内容を製作事例として紹介させていただきたいとお申し出しましたところ、
ご依頼主様より快くご了承をいただきました。
修理事例として掲載させていただくことで、
同じような内容をご検討されている方の参考になれば幸いです。
最後に、個人情報を伏せたうえで、今回の明細をご紹介いたします。
このたびはご依頼いただき、誠にありがとうございました。






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