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  • 執筆者の写真店主

事例のご紹介 鞘製作 東京都Aさま

更新日:2023年9月23日


本拵え(本造り)の鞘の製作をご依頼頂きました。

当初は「合わせ鞘」で承ったのですが

身幅,重ね,反りなどの都合でフィットする物が見つからず

本造りの鞘へ変更頂きました。

具体的には入るものはあったのですがガタつきをおさえきれませんでした。

ご予算は2倍以上違ってきます。

しかし完全に適合する鞘は扱っていて気持ちが良いです。

スルスルと納まる様は比べると全然違います。

2尺1寸をわずかに超える「大刀」に分類されるのにもかかわらず

元鞘は丸い鞘尻であったことが(オーナー様の)最大の懸念でした。

丸い鞘尻は脇差などに多く見られる形式でした。

入手にあたってヤフーで格安であった分 鞘に投資していただけました。

↑このお写真からは鍔の質感が見て取れると思います。

近代の作かと思われますがSNS上での反応が良く,

このような鍔がウケが良いのだという知見を得ました。

交換を予定していましたが,代替えの手ごろな鍔が見当たらず

暫定的ではありますがそのままの採用になりました。

鞘が渋く仕上がった分 親和性が良くなり調和が取れていると思います。

金色メッキのシトドメは追加でご注文を頂きました。鍔の象嵌とマッチしています。

栗型(栗形)は水牛の角材を手作業で削り出しております。

塗は「黒石目」です。模擬刀用の合わせ鞘の塗より

下塗りの工程数も多くなっていますし,

厳密に申しますと比べて かなり手間をかけて仕上げられております。

水牛の角材の鞘尻は強度が出ます。金具の方が(金具が外れたりする心配もあり)

敢えて申すのであれば鐺金具は装飾品であると存じます。

武道で使用する際に削れてしまう「刃側」については水牛の角材で補強しております。

鯉口の詳しいお写真です。鑑賞用の造りから比べると

若干「荒さ」が感じられます。細部まで冴え渡った仕上げをご希望の方は

そのようにお申し付けください。上撰の作業を手配させて頂きます。


最後に個人名を伏せて金額明細を公開いたします。

端数お値引き決済後に 鍔の調整を追加頂きましたので

金額がキッチリ切られておりません。通常は1000円以下を

その都度切り捨てさせて頂いております。


#日本刀 #修理 #修繕 #修復 #レストア #修理費用 #製作事例




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