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日本刀修理 軍刀修復 ツナギ製作事例 韓国P様

  • 執筆者の写真: 店主
    店主
  • 5 日前
  • 読了時間: 3分
軍刀レストア

韓国よりご依頼 ― 旧日本軍軍刀の全体再構成


2025年10月に、軍刀の柄のみを修復させていただいた案件の続編です。


前回記事はこちら ↓


今回は、お隣の国・韓国よりご依頼をいただきました。

曾祖父様の形見である旧日本軍の軍刀を、全体として形にしたいとのご相談でした。


前回は柄のみの修復でしたが、

今回は拵え全体の再構成をお手伝いさせていただきました。


軍刀レストア

現存部品と今回の方針


現状として、


・柄


・鞘


・鍔


・切羽


は存在していました。


お客様が別途入手されたハバキは寸法的に使用が難しく、

無理に合わせることはせず、そのままご返却いたしました。


国内であれば通常の手法


国内案件であれば、

砂型鋳造による亜鉛合金(シノハラ製Z合金)を使用し、

模擬刀刀身を仕込む方法が最も一般的です。


しかし、韓国では刀剣類に関する規制が厳しいとのことで、

P様より「木製での製作を希望する」とのお申し出がありました。


そのため今回は、

伝統的な技法に則ったツナギ(継木)、

すなわち木製刀身を製作する方針といたしました。


軍刀レストア

ハバキについて


木製ツナギに木製ハバキを合わせることもありますが、

P様が真鍮製ハバキを取り寄せておられたことを踏まえ、


模擬刀用素体をベースに、

鞘寸法へ合わせて削り出し、

真鍮製ハバキを新規製作いたしました。


旧日本軍軍刀では真鍮ハバキが多く用いられますが、

通常の真剣では銅または銀製が一般的です。


軍刀レストア

見本刀身が無い製作


通常のツナギ製作では、

形の参考となる本身が存在します。


しかし今回は刀身が現存せず、

鞘と柄のみが基準となりました。


そのため鞘師さんは、


拵えに合わせて少しずつ削り


組み込み


微調整を繰り返す


という工程を重ね、

全体のバランスを整えていきました。


軍刀レストア

鍔の修正


鍔には曲がりが見られました。

実戦を経たものかは定かではありませんが、

可能な限り修正を行い、歪みを整えています。


欠損部品について


鯉口金具および留め具は欠損しており、

現時点で適合する部品は見つかっておりません。


終戦から長い年月が経過し、

軍刀部品の流通も限られています。


P様も気長に探されるとのことで、

今後、適合部品が見つかれば再度ご相談いただく予定です。


海外発送への配慮


EMSでの返送にも細心の注意を払いました。


品目を「Wooden sword」と記載すると

税関で止まる可能性があるため、


Cosplay Prop – Wood stick


と記載し発送いたしました。


国境を越える案件では、

製作だけでなく、通関もまた重要な工程となります。


一連の工程を終えて


刀身こそ失われていましたが、

拵えに残された時間の痕跡は確かでした。


国や時代を越えて、

形見の品を整えるお手伝いができたことに、

あらためて仕事の意味を感じています。


遠い地で、また新たな時を刻んでいくことを願っております。



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