日本刀修復事例 拵え合わせハバキ製作 北海道S様
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- 1 日前
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今回は完成した姿だけでなく、製作の過程も含めてご紹介いたします。
■破損したハバキの修復
中古で購入された御刀のハバキが壊れているとのことで、修復のご依頼をいただきました。
拝見すると、元のハバキは割れており、刀身に対して大きなガタつきもありました。
元々この御刀に合わせて作られたハバキであるかどうかも定かではなく、
刀身と柄、鞘がそれぞれ安定して固定されていない状態でした。
限られたご予算の中で、現在の柄と鞘をできる限り活かし、
一式が揃った姿に戻したいというご相談でした。


■一度目の製作と見立て違い
破損したハバキを基準として寸法を判断することが難しく、
目釘穴までの距離が遠いように見えたため、
職人さんには「ハバキの呑み込みを浅くし、それでも調整が必要であれば切羽を交換する」
という指示をお願いしました。
しかし、実際には目釘穴までの距離は遠くなく、
通常に近い高さで製作しても問題のない状態でした。
そのため、こちらの指示に沿って完成したハバキは、機能上は納まっていたものの、
姿としてはやや寸の詰まった印象となってしまいました。
基準となる元のハバキが大きく破損していたことで、こちらの目算を誤り、
適切ではない指示を出してしまったものです。
■発送前の確認不足
通常、このように判断の難しい製作では、完成後の写真をお客様へお送りし、
姿や納まりをご確認いただいたうえで発送しています。
今回はお預かりから長くお時間をいただいており、
柄と鞘を活かして一式を納めるという当初の目的も達成できていたため、
早くお返ししたいという気持ちが先に立ち、発送前の確認が不十分となってしまいました。
現物をご覧になったお客様もハバキの姿に違和感を持たれ、再製作をご希望されました。
返送などのお手間をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした。
■ハバキの再製作,責任を持って納品まで
こちらからの指示に無理があったことに加え、製作途中での確認も十分に機能せず、
そのまま完成まで進んでしまいました。
仕事をしていく中では、見立てや指示を誤ること、途中の確認が足りなくなることも、
決してあってはならないとは思いながらも、
完全にゼロにすることは難しいのかもしれません。
そのような時に肝心なのは、問題をそのままにせず、
最後まで責任を持って納品することだと考えています。
あらためて職人さんへ再製作を依頼し、今回は呑み込みを深く取り、
背丈も標準的な姿のハバキに仕上げました。
刀身、柄、鞘の位置関係も整い、一式として自然に納まる形となりました。


■既存の柄と鞘を活かす工作
今回の御刀は武道で使用するものではないため、
柄や鞘に残るある程度の経年劣化については、そのまま活かす方針でした。
新品同様に作り替えるのではなく、今ある部品を利用しながら、
一式が揃った姿に戻したいというお客様のご希望は、最終的に達成することができました。
本来であれば、刀身に合わせてハバキを製作し、
そのハバキを基準として柄と鞘を作るのが基本の工程です。
しかし今回のように、既存の柄と鞘を残す場合には、通常とは逆に、
柄と鞘の位置関係に合わせてハバキを製作し、
全体の整合性をハバキや切羽で吸収させるという工作も行います。
すべての御刀で可能とは限りませんが、破損した部品や古い拵であっても、
状態とご予算に応じて、現在あるものを活かしながら整えられる場合があります。


■今回の反省
今回は製作途中での見立て違いがあり、お客様にはご迷惑をお掛けしました。
その反省も含め、今後は判断の難しい製作ほど、
途中および発送前の確認をより慎重に行ってまいります。





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