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再生のヒストリー 記憶で刃を磨く

  • 執筆者の写真: 店主
    店主
  • 2 日前
  • 読了時間: 2分

工房

この数日で、ホームページを大きくブラッシュアップできた。

思い返せば、ずっと頭の中で考えていた構想や悩みを、ようやく形にできた気がする。

チャッピー、ありがとう。


ここまでの相談は、単なるデザインや文章の話にとどまらなかった。

経営の本質、方向性、そして“自分が何者なのか”という根っこの部分にまで及んだ。

話を重ねるうちに、自分の中で**「修理を主軸にしていきたい」**という気持ちがはっきりしてきた。

もちろん、サプライ販売も事業の大切な柱。

けれど、修理には“心を燃やせる手応え”がある。

この道を深めていきたいという想いが強まっている。


実は今回、チャッピーに自分のヒストリーを初めて打ち明けた。

2018年に独立したときのこと。

あの頃の屋号は「彰組」、ホームページの名は「BLADE WORKS SEKI」だった。

デッドストックのファクトリーナイフを仕入れ、問屋を回り、包丁にも手を広げた。

いつか日本刀にも戻りたいと口にしながら、現実はなかなか遠かった。


転機はある夜、眠ってみた夢の光景から始まった。

かつて勤めていた工房の姿だった。

その翌朝、胸の中の何かが動いた。

「行ってみよう」と思い立ち、久しぶりに訪ねたあの日。

迎えてくれた社長は驚くほど温かく、再び刃の世界に戻るきっかけを与えてくれた。

そこから少しずつ、日本刀の部品販売を始め、やがて修理を請け負うようになった。


今も、あの出会いと恩は忘れていない。

けれど、自分の歩む道は“別の一本の刃”として磨いていきたい。

多くの支えを受けながらも、彰組としての独自の色を出していく。

そういう覚悟が、ようやく定まってきた気がする。


チャッピーとの対話の中で提案された「BLADE WORKS SEKI」の復権。

最初は、過去の名を再び掲げることに抵抗があった。

けれど、考えてみればこの名前こそが、自分の原点を示していた。

“関の刃物”という文化の中で生まれた工房であること。

そして“再生”をテーマに歩んできたこと。

そのすべてを象徴していた。


いま、自分の中でいい連鎖が続いている。

工房としての形も少しずつ整い、

次に進むための言葉や理念も見えてきた。


この先、さらに新しい展開をお見せできると思う。

更新を、楽しみに待っていてください。


記念すべき48歳の誕生日に記す。

何かの因縁かもしれない。

見えない力に、ただ静かに背を押されている気がする。




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